手元で清らかな輝きを放つ小さな仏さま。モチーフは京都・六波羅蜜寺の空也上人(くうやしょうにん)立像。空也上人は多くの人々を救いたいという想いを「称名念仏(しょうみょうねんぶつ)」という形で世に広めました。このリングを着けてそっと手を合わせると、空也上人が伝えたかった「合掌してお念仏を唱える」という尊い行いを体験できます。
謎に包まれた僧侶「空也上人」とは?
平安時代に疫病が流行したとき、ひたすらに「南無阿弥陀仏」と唱える「称名(しょうみょう)念仏」を広めた六波羅蜜寺の開祖が空也上人です。そのとき唱えた「南無阿弥陀仏」の称名が六体の化仏(けぶつ)(小さな仏さま)となって現れたという伝承を表した仏像が有名です。
空也上人が生きた時代、仏教は貴族などの特権階級を中心に広がっていました。一方で市中には度重なる戦や疫病がはびこり、庶民の暮らしは大変なものでした。そのような世を嘆き、空也上人は「特別な教えはなくとも『南無阿弥陀仏』と念仏を唱えれば安楽を得ることができる」と説き、諸国を歩いて民衆に称名念仏を広めました。このことから、阿弥陀聖(あみだひじり)、市聖(いちのひじり)とも呼ばれています。