ぽんかんには、早くとれる「高床系」と、晩生で形が扁平な「低床系」があります。今回お届けする低床系は、高床系より小ぶりですが、その分ほどよい酸味の後に濃い甘さが広がり、華やかな香りが際立つのが特徴です。他の地域では寒さが来る前に収穫し貯蔵することが多い中、とんと農園では、樹の上でぽんかんを越冬させ、完熟させます。この手間が、ぽんかんの糖度と風味を高めているのです。
【とんと農園 田中信太郎さんよりひと言】
濃密な甘さを生み出す理由は、ぽんかんの木が育つ特別な環境にあります。園地は西向きの急な斜面を切り開いた段々畑。石垣が築かれたこの土地は、水はけが非常に良く、ぽんかんが過剰な水分を吸うことなく、太陽の恵みと養分を実に凝縮させます。今年のように特にきびしい日照りに耐えたぽんかんは、果実本来の力が最大限に引き出され、甘さが凝縮されています。また、有機肥料の原料からこだわり抜き、牛肉を砕いた肥料を主に使用しています。この肥料がぽんかんの独特の豊かな風味と濃密な甘さを支えています。僕の自慢のぽんかんです、ぜひご賞味ください。