ミ三3研究室

【ミ三3研究レポート】 研究員F

実は、研究員Fは、ずっと前から「buoy(ブイ)」のファン……はじめは違う名まえのプロジェクトだったのですが、ブランド立ち上げを(一個人として勝手に)スゴイスゴイ・いいぞいいぞと見守ってきました。そして2024年の春の偶然のお出会いからお声がけ、少しずつご案内できることになりました。しかも今回は……

小物トレイと小さなお魚のチャーム

【ミ三3研究室】×buoy コラボレーション企画

インテリアとして楽しめる小物トレイと、小さなお魚のチャームをミ三3研究室オリジナルで作ってもらいました。重さは、海に漂っていたごみ、そのままの重さ。模様は、捨てられていたプラスティックごみ、そのままの色……なので、デザインのコントロールは難しいのですが、今回は実はそれぞれに「カラーテーマ」があります。うまく(思うように)表現するのは難しかったのですが、研究員Fが大切にしている想いを込めており……buoyさんも「何とかイメージに近づけるようがんばります!」と協力してくださいました。

小物トレイと小さなお魚のチャーム

左:ブルーと白のデザインは【浜辺】。すべての海が青く美しく、そしてゴミひとつない美しい浜辺である世界を願って。上:小さなトレイは【花火】。ど~んパチパチパチ……心躍る音、夜空に広がる花火。夏の風物詩であり、日本の職人技が光る芸術、鎮魂や祈りがこめられた文化でもあるのではないでしょうか。カラフルなおさかな……言わなきゃ絶対にわからない……【里山】を表現したかったのです。赤・オレンジ……里山の紅葉、緑は森林や茶畑。緑に水色は、水が張られすくすくとお米が育つ田んぼ(黄色は稲穂!)、青は美しい川。右下のミックスカラーは【お祭り】。ちょっと「ねぶた祭」なんかを意識した、にぎやかな風景をイメージ。地方では高齢化が進み、伝統的なお祭りができなくなったりしていますが、すばらしい日本のお祭りもなくなってほしくない……という感じで、大切に守り伝えたいものをカラーテーマにしています。研究員Fなりの「ユニークなものづくり」として【なくなってほしいもの(海洋プラスティックごみ)で、なくなってほしくないもの】を作ってみたいと思ったのでした。

漂流した海洋ゴミ

日本は世界最大の海洋プラスティックごみのホットスポット

世界的な問題となっている海洋ごみ。アジアで流出した海洋プラスチックごみの多くは、海流に乗って日本に漂着することとなります。日本は世界最大の海洋プラスティックごみのホットスポットと言えるかもしれません。例えば長崎県の対馬市だけでも年間3,000トン以上の海洋プラスチックごみが海岸に漂着しているそう。この地図を見てください。これは、buoyが材料として買い取っているプラスティックが回収されている場所を記したものです。

MAP

日本中に漂着していることがわかりますが、漂着が多いのは冬の日本海や九州西岸あるいは離島部で、地元の方にさえ知られずにボランティア団体さんたちが主となり、大量の海洋漂着ごみを回収しているそうです。想像を絶する量。かなり大きいものも漂着します。

海洋ゴミを集めるボランティアの方々
海洋ゴミを集めるボランティアの方々
海洋ゴミを集めるボランティアの方々

ごみが漂着する場所としない場所 (の人々)をつなぐ架け橋に

buoyは、海岸で回収した海洋プラスティックごみを”ヴィンテージ材料”として買い取り、全て採集地ごとに管理し、製品を作っています。それは、単に「”アップサイクル”という、ものづくりのスタイル」というのではなく、各地で活動するボランティア団体の収益源となる仕組みでもあります。buoyは、プラスティック製品を製造しているメーカーの有志メンバーによって誕生しました。「いつか海洋プラスティックごみがなくなり、何も作れなくなる未来をめざしている」とのこと!(素敵)

魚のチャーム

商品には、すべてその材料の採集地を記しています。(1点1点異なります)ビーチクリーンなどで回収した海洋プラスティックごみは付着している砂や汚れを落とし、大まかに色分けをして裁断・粉砕し、採集地ごとに管理されています。美しく生まれ変わりお手元に届いたその商品の材料は、どこに漂着したものだったのか……それを知り、その場所に想いを寄せることこそが大事だな……と思います。プラスティックごみとして嫌われていた「海洋ごみ」ですが、捨てられていたものから、捨てられないものへと生まれ変わったもの(商品)が、ごみの漂着地の人と漂着しない地域の人をつなぐ架け橋となることを願って……。

海洋プラスチック

海がない場所でも、いつでも誰でも参加できるビーチクリーン

私たちひとりひとりが実際のビーチクリーンに参加することは、とても難しいです。だからこそ、今回の【ミ三3研究室】の商品を通じて私たち自身が、もっともっとこの問題を身近に感じることができたらいいなと思っています。そして、ひとりでも多くの人にこの問題を知って、身近なこととして考えてもらえたらな……ということで、気軽にプレゼントできる小さなお魚のチャームを作ったのです……3個集まるなら2個は誰かにプレゼントできるかな……と思って。製品はこんな感じで、大切に作られていますよ!

作業風景

【ミ三3研究室 研究員Fより】

研究員F

これは「モノ(商品)」だけど「コト」であることをたくさんの人に知ってほしいのです。「プロダクト(もの)」だけど「プロジェクト(活動)」だと思うのです。buoyというブランドが、プラスティック製品のデザインから量産を行うメーカーの有志メンバーによって誕生したこと、プラスティックメーカーとして真摯に素材の価値と向き合っていることに大きな意味があると思います。そして、そんなモノとコトを知った私たちがどうしていくのか……。これからも、もっともっといろんなことを研究して、みなさまにお伝えできたらなと思います。

想い描く人・作る人・使う人etc.……みんなでSocial Good!なものづくりやお買い物ができたら、しあわせな世界・社会だと思うのです。手にしたモノを通して、作り手側のさまざまな人たちの物語を知って・使って楽しんで・自分なりの社会との関わり方なんかも時々ちょっと考えてみる。そういう暮らしをしてゆきたいと思います。

海洋プラスチック
ミ三3研究室イラスト