ミ三3研究室

【ミ三3研究レポート】 研究員F

「いい波きてる?見てみろうか。」高知県南西部にある小さな町、黒潮町(くろしおちょう)。気候は温暖で、豊かな自然が広がり、クジラやイルカ、アカウミガメなどが近くに暮らし、海の恵みを受け、カツオの一本釣りや天日塩作りなどが盛んな町です。サーフィンやホエールウォッチングなど自然体験の人気スポットでもあります。もしかしたら「砂浜美術館のTシャツアート展」をご存知の方がいるかも知れません。

砂浜がそのまんま美術館。ありのままの風景、豊かな自然が常設作品やき!
ウミガメ保護(放流中)
ウミガメ保護(放流中)
 
ホエールウォッチング

【34.4m】

さて、そんなのどかで美しい町に2012年、突如突きつけられた衝撃の数字と大きな課題とは……?東日本大震災から1年後、内閣府が発表した「34.4m」という数字は、南海トラフ巨大地震の被害想定で、黒潮町に来るとされる津波の高さ。そうしてこの町は、“日本で最も高い津波が来る町”として、衝撃的な数字とともに、大きな注目を集めることになりました。

地元の人の予想をはるかに上回る予想津波高。「けれど、私たちはこの町が好きだ。この砂浜も、この漁村も、名産の黒砂糖も天日塩も、みんな好きだ!」「あきらめたらいかんぞ。 もういっぺん考えてみいや。できる方法をあみだすまで、やらなあいかん!」過疎化が進むこの町を未来につなぐには……?

黒潮町缶詰製作所logo

海の恵み豊かなこの町を愛する地元の人々が立ち上げたのは「WE CAN PROJECT」。日本一の被害想定をバネに、日本一防災を考える町へ。防災も過疎をくいとめることも、どっちもあきらめない。決意のシンボル「34.4m」を旗に、「黒潮町缶詰製作所」が誕生しました。(通称 KUROCAN……We can……そのCANでもあったんやね。えいね。)
地元の素材を生かし、町に雇用の場をつくり、 備蓄もつくる。こうしてスタートした缶詰作りにはたくさんの想いがこめられています。現在では、この黒潮町缶詰製作所やさまざまな町の取り組みを視察するため、国内外から多くの人がやって来るようになり、黒潮町は“防災先進地”として知られるようになりました。

【楽しさと おいしさと やさしさと】

↓ミミ3研究室が提案する、黒潮町缶詰製作所の缶詰の楽しみ方のひとつは、こんな感じ!

黒潮町缶詰製作所の楽しみ方

「ちょっと不謹慎かもしれませんが、万が一、避難所で過ごすようなことが起きたとき、高知名物の皿鉢料理(さわちりょうり)みたいに、このいろんな缶詰をみんなで囲んで楽しめたらいいなと思っているんです」と、黒潮町缶詰製作所の担当Tさん。皿鉢料理は、大皿に高知名産の山の幸・海の幸をぜいたくに盛り合わせる郷土料理です。
ミ三3研究室の研究員F、実は数年前から缶詰製作所さんとはおつきあいしているのですが、今回この特別セットを企画したのは、それに似た想いから。缶詰を開けるだけで、お米・牛肉・豚肉・鶏肉・お魚料理からデザートまで、ごちそうがいろいろ。それってまるで、おいしい小皿料理「タパス」が並ぶスペインのBAR(バル)のテーブルみたい。想像するだけで、ちょっと楽しい。

マヒマヒ

もちろん、いちばん重要なのはおいしさ!なるべくシンプルな原材料で……と設計しつつ、料理としての完成度も追求。栄養士とシェフ監修の豊かな味わい、缶詰と思えない自然なおいしさがいいのです。そして、やさしい。なるべくみんなで一緒に同じものを食べられるように、8大アレルゲン不使用。(ただしアレルギーが起きないことを保証するものではありません。)やさしいのです。
そうそう、研究員Fは今回、担当Tさんに何度か確認したことがあります。「パエリアのイカリングは絶対に2個入っていますよね?写真で2個見えてるのに缶を開けて1個だったら悲しいから!絶対2個入っていますよね?」「あと、栗と黒糖やわらか寄せ。栗は絶対2個入っていますよね?写真で2個入ってて……。」「はい。大丈夫ですよ。2個入っていますよ。手詰めなんで大丈夫ですよ。」……そう。防災の町の缶詰工場として、一つ一つ思いを込めて手詰めでていねいに仕上げられているんです……まっことやさしい。楽しくておいしくてやさしい缶詰。こじゃんとええね!

【ミ三3研究室 研究員Fより】

研究員F

今回、ミ三3研究室の特別セット企画のために、オリジナルパッケージを作成しました。スペインのBAR(バル)をイメージして、缶詰を小皿に盛って撮影しました。パッケージは、3つ並べると楽しさ倍増。食べながらもしもにも備える「ローリングストック」にもぴったりだと思っています。そして、このデザインにはとってもとってもスゴイことがあるんです!

黒潮町缶詰

真ん中に掲げた「黒潮町缶詰製作所さんのロゴマークの旗」。実は今回のミ三3研究室の企画のために、旗の棒を長くした特別デザインになっているのです!研究員Fの熱い想いに、快くOKをくださいました。ありがとうございます!ぜひぜひ、たくさんの方のお手元にお届けできればな、と思います。

ピンチをチャンスに変えて、スタート以来培ったノウハウを活かし、さまざまな創意工夫を凝らしながら、特定原材料8品目を使用せず、おいしい缶詰作りに挑戦し続ける。防災の町のごちそう缶詰。食の開発を行い、町の未来を切りひらく、黒潮町の探求と挑戦には学ぶことがいっぱいです。

ミ三3研究室イラスト

この缶詰セットは「「もしもしも防災基金」がついています。「もしもしも防災基金」は、「必要なときに、必要なところへ、必要なだけ」物資をお届けできる備蓄支援を実施しています。基金の詳しい仕組みや用途は、こちらから。

朝日